Gimme All The Cocaine
こんにちは。最近ゲームセンターが久々に開いてDDRをしにいったら感極まって泣いてしまったKeiuOです。という下書きを書いてから随分立ってしまい今はDDRが嫌いな時期に入っています。ひとのきもちとかこんなもんです。
今回は、BMSイベント「第17回 自称無名BMS作家が物申す!」、通称無名戦17にてFutamiさんの映像(BGA)を担当させていただいたので、記録を兼ねてその映像を振り返ります。
誰お前
手短に自己紹介します。普段はさっくり遊べるあやしい2Dゲームを作っています。この辺が代表作です。
元気いっぱい!朝ごはんパワー
元気いっぱい!朝ごはんパワー | フリーゲーム投稿サイト unityroom
テクノかるた
予習
振り返りを始める前に今回最も参考にした3つの動画を紹介します。これらは振り返り中でも頻繁に話題に出しますので、できれば先にご視聴の上で読み進めることをおすすめします。
tofubeats - 陰謀論 (CONSPIRACY THEORY) / Director's Cut
'On Your Mind' | Kaskade | Official Video
本編
というわけでスタートです。こちらの映像を見ながらどうぞ。
一番最初のシーン。やっぱり最初の数秒で全力で殴らねばなあという感じでデータモッシュでもするかと思いこうなりました。データモッシュとは何か、についてはこれが分かりやすいかも。
当然フレームがどうとかそんなの存じ上げておりませんので「Datamosh」というプラグインを使わせていただきました。有料なんですけど10日は無料で使えたのでその間にさくっと使って今回は事なきを得ました。でもデータモッシュとか日常使いしそうだし一家に一個あってもいいんじゃないかな。少なくとも自分は買おうかなという気持ちになっています。
iStockから6000円で買いました。
iStockから映像を買ったのはTofubeats-陰謀論の影響が大きいです。あれを見て「映像素人でもiStockから動画買って編集すればMVが作れるんや......」と思ったので。ちなみにトーフさんは全然映像素人ではないです。
ダンサーを出してほしい(時勢に即した表現)という要望は最初にFutamiさんから来ていました。これ以外の映像素材はpixabayなどから頑張って無料で揃えたにも関わらずiStockでこれを見た時「このBGAで踊らせるならお前しかいねえ......!」と思い、購入した次第です。
Private SnafuシリーズのSpiesというアニメーションのワンシーンらしいです。自分はこのアニメーションのことは1ミリも知りません。動画素材として選ばれた理由は著作権が切れているから、映像から切り取れる部分があまりにも多いから、この2点のみです。
今回のBGAでは著作権切れの映像が2つ、様々なシーンで使われており、このアイディア自体は元々ProjectGさんが自らのBGAを制作する時に行っていたものです。以前ThemeのBGAを見て相当衝撃を受けており、はっきり言ってこのBGAが無ければ今回の映像は完成していなかったと思います。映像制作素人が2分程度の全カットを自力で埋められるわけないじゃないですか。
Unityでパンダくんを踊らせているシーンです。動画の最後のサンクス書きのところに記した通り、Tofubeatsさんが陰謀論のMVで使用したモーションを使わせていただきました。そんなモーション配布どこでやってたんや......と思う方もいらっしゃるかもしれませんが実は陰謀論の動画のコメント欄にプロジェクトのリンクが貼っつけてあります。Unity持ってる人は是非ダウンロードして弄ってみてください。これで君もTofubeatsだ。
今回の映像のネタ出しをしている時に一番最初に思いついたシーンです。これが一番やりたかったし一番気合入っているのでサムネにしてもらったりSoundCloudのジャケットにしてもらったりしました。
これの元ネタ......というわけでも無いですがイメージとして持っていたものです。手が360度回転するのは面白そうだったからです。技術と素材があれば右端の腕の方もぐるぐる動かしたかったです。
先程出したとおりiStockで買った元映像はあれなのですが、ここではAfterEffectsのロトブラシツールでダンサーの部分だけ切り抜いてます。それにしてもかなり綺麗に抜けています。AfterEffects最強か?そしてこんな強力な機能が備わっているのにかゆいところに微妙に手が届かないのはなぜ?これは手作業でやったので、映像でよく見ると一部切り抜ききれていないところが分かると思います。
サイケ地帯の序盤、実写映像シーンです。こちらは偽牧師(The Pilgrim)からの引用です。この映画のことも1ミリも知りません。
この映像はNHKクリエイティブ・ライブラリーから持ってきました。
前述した拙作「元気いっぱい!朝ごはんパワー」でもお世話になった創作用素材を提供してくれているサービスです。みなさんの払った受信料はBGAの素材になりました。
このカットは確か映像制作中にFutamiさんが基礎となるアイディアを出してそれを実現する形で出来たものだと記憶しています。一瞬なので何がなんだかわからないかと思いますが情報量を少し多めにし、動画を止めてたまたまこのシーンだったときにニヤつけるようなカットにしたいなと思ってた気がします。
後ろがデータモッシュで手前が実写映像素材です。特に語ることはないですが、この辺りからだんだんカットを埋めるのが難しくなってきて「これが......これがハイテック......」と感じた記憶があります。
pixabayです
本来このシーンは最後の声ネタのところに持ってくるつもりでした。
これは一応元ネタがあります。チュンソフトの428 封鎖された渋谷でというゲームのあるシーンで出てくるムービーです。参考のために動画を貼っておきますが実況動画なので苦手な人は気をつけてください。26:11~がそのシーンです。
あとこのシーンについては文字バグについても言及しておかなければなりません。これは制作終盤でFutamiさんから出されたアイディアです。インスパイア元はGANTZの玉です。これに関しては時間ギリだったこともあり微妙に表現が上手くいかなかった気がしていて、反省ポイントです。
ここから先は一小節ごとにカットを切り疾走感を出しながら次々に意味不明な映像を出すという方針が最初のネタ出しの段階で決まっていました。そしてネタ出しの時間の90%くらいはこのラッシュに使いました。
本当に狂っている人ならばこの程度のカットはフィールで埋められるのだと思います。しかし、自分は例えばネットのサイコパス診断でサイコパスと出たら内心喜んでしまうくらいには、Twitterで「他の人とは違う自分」をアピールするために様々なネタツイートに走るくらいには、ありふれた、凡な人間なのです。本当に狂っている人間は何を見、何を考えているのか、アルコールの力に頼りながら無理矢理捻り出しました。
このシーンは一瞬で分かりにくいのですが、足が掃除機になっているおじさんが雨のように降ってくる風船から逃げ惑うところです。このシーンに限らず終盤の全てのカットは「本来○○であるところがXXだったら面白そう」という発想でひねり出しています。このシーンで言えば風船は本来浮く、上に上がる、イメージのものですがそれが下に落ちる、勢いよく降ってくる、という情景は面白いのではないか、といった感じです。これはゲーム制作のネタ出しでもよくやってることなので、この方針で全て埋めようと考えた後はかなりスムーズにアイディアが出ました。
「ひだりのボタンをおしてね!」とあるがボタンらしいボタンは無いし、なんなら画像は円運動してるので右とか左とかねえだろ、というシーンです。こんなの正直ぱっと見て分からないと思います。ただこの「ぱっと見正しく見えるんだけどよく見たらすべてが間違っている」っていう気持ち悪さが初めに挙げたKaskade-On your mindからインスパイアされたものです。ラッシュのシーンでは全て「ぱっと見正しく見えるんだけどよく見たらすべてが間違っている」を目指して作りました。
ダニング・クルーガー効果という言葉好きですか?自分は嫌いです。このシーンの発想の源はStudio One(音楽制作ソフトの1つ)でオートメーションを後ろに書くことが出来るということを知ったところにあります。
ここは今までの流れからまだ使用していない動きを用いようということで回転&反復振動を入れています。自由の女神が何かで殴るっていうところまではすぐに思いついて、殴らせるなら普段殴るために使うものじゃないほうがいいなと思ってパフェをもたせています。
これは完全にOn your mindのパクリです
時計がキモい動きをするシーンです。本当は針をZ軸回りで回転させるっていうのが元のアイディアだったのですが、技術的に厳しかったのでこうなりました。Unityで組んでたら出来てたかも......?
日めくりカレンダーの日付が1日から進まないシーンです。ケバい色大好きクラブなのでケバい色を大回転させました。本当はもっとケバかったんですがポリゴンショックみたいになるのも嫌だったので少し抑えめにしています。
ここも一応オリジナルではあるのですが、On your mindリスペクトがかなり強いシーンです。飛行機が飛んでいる映像の左上から小便小僧が白い車を大量に放出しています。
最後のシーンは指摘を受けましたがあんまり思いつかなかったのでここまでに使った圧の強い素材を使ってなんとかまとめた感じです。
まとめ
正直ゲーム制作の5億倍楽しかったです。
曲が良いのがデカくて、作業で繰り返し何度も何度も聴いても飽きないどころかむしろアガれる、本当に薬のような曲だと思います。違法薬物は絶対にダメです。私は違法薬物を許しません。
そんなわけでほぼ自分のために書いたBGA解説記事ですが最後まで読んでいただきありがとうございました。現在(2020年6月11日現在)インプレ期間中ですので、ぜひBMSの方もプレーしていただき、インプレしてあげてください!
では。